夢の会H29年上期報告

充実した例会を重ねていることに加え、今期は「夢の会」10周年記念俳句大会を4月27日に開催しました。大会の模様は別稿でご報告します。

新たなメンバーを募集しています。例会(毎月第3火曜日)の参観も歓迎します。

(連絡先:044-986-6953 池田 修 E-mail:  o-ikeda@mba.ocn.ne.jp)

 

・例会模様

 

平成二十八年十二月二十日  題 星

    雪催ひ棚田の眠る星峠・・・・・・・・・(もりすけ)

時雨るるや喪中葉書の淡き文字・・・・・(かしん)

冬日さす座禅の闇の奥の奥・・・・・・・(あきら)

弔問の線香くゆる冬座敷・・・・・・・・(きよみ)

湯豆腐の二晩続く二人かな・・・・・・・(ひで)

歳を経し良き顔揃う年の暮・・・・・・・(しゅん)

小春日や銀座八丁人の波・・・・・・・・(たかし)

古時計修理済ませて年送り・・・・・・・(やえ)

辞世の句作れぬままの晦日そば・・・・・(おさむ)

着ぶくれてちょっと長めのザック紐・・・(じゅん)

幼子の星を数えて冬至風呂・・・・・・・(じょう)

涙ぐむ発車のベルや冬の星・・・・・・・(雅凡)

青レモンともに見上げし冬の星・・・・・(かめい)

古代から伝ふ星座の冬浪漫・・・・・・・(しょうじ)

 

平成二十九年一月十七日  兼題 初句会

早や五年思ひ新たに初句会・・・・・・・(ひで)

玉砂利の澄みたる響き初詣・・・・・・・(かしん)

甦る母の声音の歌留多取り・・・・・・・(きよみ)

初御空きりりと聳ゆスカイツリー・・・・(しょうじ)

申酉と襷が渡り初句会・・・・・・・・・(雅凡)

年賀状端にひと言思い遣り・・・・・・・(じょう)

電子辞書電池新たに初句会・・・・・・・(じゅん)

菜ひとつ縁起を啜る七日粥・・・・・・・(しゅん)

青菜添へ夫が差し出す雑煮椀・・・・・・(もりすけ)

聞きなれぬ歌を肴に大晦日・・・・・・・(かめい)

生きてこそ噛める幸せ雑煮餅・・・・・・(おさむ)

心おくふる里のやま初句会・・・・・・・(やえ)

先輩の賀状の返事字が読めぬ・・・・・・(あきら)

下町の御朱印求め七福神・・・・・・・・(たかし)

 

平成二十九年二月二十一日  兼題  薄氷

 

薄氷早や踏み割りし人のあり・・・・・・(ひで)

道すがら幼言葉の鬼やらひ・・・・・・・(じゅん)

ためらわず四温の美脚さらしおり・・・・(おさむ)

春寒しみんな集まる八畳間・・・・・・・(あきら)

忘れずに今年も匂ふ梅の花・・・・・・・(かしん

薄氷に透けて緋鯉の息遣い・・・・・・・(もりすけ)

梅古木父の鞄と同い年・・・・・・・・・(きよみ)

孫帰るおもちやを隠す春炬燵・・・・・・(しょうじ)

うす氷今朝は薬の一つ減り・・・・・・・(やえ)

春宵のほろ酔い歩き七丁目・・・・・・・(しゅん)

薄氷や水面に漂う恋心・・・・・・・・・(かめい)

雪浴びて首まで浸かる露天風呂・・・・・(雅凡)

娘御の帽子をおさえる春一番・・・・・・(たかし)

 

平成二十九年三月二十一日  兼題  春の雪

 

欠伸する赤子の顔や風光る・・・・・・・(かめい)

牡丹餅の陰に母ゐる彼岸かな・・・・・・(かしん)

春寒やキャリーバッグの音響く・・・・・(しゅん)

不揃いの母の草餅甘かりき・・・・・・・(ひで)

菜の花や太平洋の波静か ・・・・・・・(あきら)

傘傾げどうぞお先と春の雪・・・・・・・(おさむ)

踏切の赤の点滅木の芽風・・・・・・・・(じゅん)

春昼の「ひるのいこい」のテーマ曲・・・(もりすけ)

春寒し星一つ落つ通夜かな・・・・・・・(たかし)

碧天に天女の裳裾春の雪・・・・・・・・(雅凡)

春光や慈顔見惚るる三千院・・・・・・・(しょうじ)

なぜ生きる解く鍵そこに春の雪・・・・・(やえ)

 

平成二十九年四月十八日  兼題 行く春

 

花まつり泣き虫今は二児の母・・・・・(きよみ)

たんぽぽの畔に一輪ここよここ・・・・(もりすけ)

孫達の尾灯遠のく春の月・・・・・・・(じゅん)

篝火や揺るる桜の能舞台・・・・・・・(かしん)

七十の身軽に成りて花は葉に・・・・・(しょうじ)

行く春やひそりと御座す阿弥陀様・・・・(かめい)

尽きるまで飛花の刹那の連なりよ・・・(おさむ)

旗揺れる中古車売場風光る・・・・・・(しゅん)

往く道や吉祥模様の花筏・・・・・・・(やえ)

揚雲雀頭上の雲に入りし儘・・・・・・(ひで)

一晩の風雨にめげず花の雲・・・・・・(雅凡)

花御堂潮の香りに乗る汽笛・・・・・・(あきら)

花いかだ近づく和舟にみちゆずる・・・(たかし)

 

・一句鑑賞                                                     かしん

 

梅古木父の鞄と同い年     きよみ

 

年代物の梅の盆栽、年を経てごつごつした幹は優雅に曲がりくねっている。それでも早春には健気に何輪かの花を付ける。そういえば、押入れの奥にしまってある父が愛用していた鞄も、この梅の木の幹のようにごつごつとして皺が寄っていたなあ。取り出してみると、随分古い鞄だが、長い間父とともにあって、この梅の木と同じ年輪を重ねて来たことが分かる。この鞄にはいろいろな思い出がある。それは父の思い出と重なって脳裏に次から次へと浮かんでくる。

作者が二三輪の花を付けた梅の盆栽を見た時、こんなことが鮮やかな映像として浮かんできたのではないでしょうか。「父の鞄」と詠んだことで、鞄の持ち主であった父のことをいろいろ想像させます。この鞄を大切に使っていた父への尊敬、この鞄を持って出勤して一家を支え、私達を育ててくれた父への感謝、などなどです。

また、梅古木と父の鞄が「同い年」という措辞は、意外性があって“うまい”と思います。「同い年」という言葉は人と人の関係に使い、日常会話の中で出てくるものですが、詩の中で、しかも物と物との関係で登場するのが面白い。

作者は最近めきめきと俳句の力を付けて来ています。感性が鋭い上に、表現力も豊かですので、これからが楽しみです。

Updated: 2017年7月5日 — 10:07 AM

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